露出オーバーに気をつけろ!

 解説

 レンズつきフィルムの中にはISO800のフィルムが使われているものがあります。メーカー名は言いませんが、アノ皆さんご存じのメーカーです。確かに感度の高いフィルムを使うことで、使い捨てのカメラで今まで一番多かった失敗である露出不足をある程度防ぐことが出来て、使いようによっては非常に有効です。

 しか〜し、ドッピーカンの晴天、スキー場、海辺などかなりのシーンで露出オーバーが生じます。ご存じと思いますが、リバーサルフィルムに比べてネガフィルムは露出の過不足に対して許容範囲が広いという特徴を持っています。そもそも使い捨てカメラはこのネガフィルムの露出の許容範囲の広さを利用して、絞りもピントもシャッタースピードも固定であるにも関わらず広範囲での撮影を可能にした製品です。「こんなプラスティックの箱で写真が撮れるのか」と人々を驚かせ大ヒット商品となりました。ヒットを見届けたメーカーは次から次へと新商品を送り込みましたが、ISO800フィルム入りの使い捨てカメラだけは私は「う〜む」と唸ってしまいました。


 露出オーバーはラボ泣かせ

 私の予想通り、ISO800のフィルムが使い捨てカメラに採用されたことによって露出オーバーネガがどーんと増えました。結果、プリント時の印画紙への露光時間が異常に長くなります。普通の濃度のネガですと概ね1コマ1秒以内には露光が完了します(サービスサイズ)。しかし、ISO800で真っ黒に近いネガですとプリンターにもよりますが、多いときは1コマ30秒かかります。場合によっては露光エラーで焼けないこともあります。まあ、エラーが出るくらい濃いネガは無理やり焼いてもカラーバランスの崩れなどが起きて、まともな色は出ませんが..

 つまりラボのプリントマンの仕事量が増えたと言っても過言ではないでしょう。ただでさえ、大手のラボのプリントマンだと1日300本位のネガを焼くのに神経をすり減らしているのに、このISO800フィルムはまさに敵となった訳です。全国のプリントマン諸兄! 負けずにがんばりましょう。

 ユーザーにとっての露光オーバー

 いくら許容範囲の広いネガフィルムと言っても限度があります。フィルムを蛍光灯などにかざして、真っ黒に近いネガはまともな色は出ないと思ってください。よくカメラ雑誌などで「ネガは露光不足よりはオーバー気味に撮る」というような事が書いてあります。その通りなのですが、それにも限度があるということです。適性範囲を越えて(あるいは下回って)露光されたネガは間違いなく良い結果にはなりません。まあ、いまどきのオートカメラで撮影する分には殆ど関係ない話ですが、ISO800フィルム入りの使い捨てでは感度が高く、絞り、シャッタースピードが固定ですから、ピカピカの晴天下やスキー場などで許容範囲外の露光になりやすいわけです。

 ほんとは使い分けてほしい

 暗い室内や、曇りの日はISO800、その他はISO400の使い捨てカメラという具合に使い分けるのが一番なんですが、なかなかそうはいきませんよね。だから結局、ISO800でオーバーになると分かっていても撮らざるを得ない。結局ラボのプリントマンが頑張るしかないんです。う〜ん恨みますよメーカー様。

 結局、プリントマンの愚痴になってしまいました。スイマセン。お詫びに使い捨てカメラのチョットした使い方のコツなど書いておきます。


追記 96/09/08
同業の方から 「大手ラボではもっとスピードの速いプリンターを使っているので苦労していない。ミニラボ泣かせでは?」
という御指摘を受けました。まさにその通り、上記の内容はミニラボの域を出ていない話です。1日何千本も処理するラボでは当然ハイスピードのマシンが導入されています。御指摘有り難うございます。他にも「おかしいんじゃないの?」等、ご意見をお待ちしています。

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