なんでカラーネガのベースの色はオレンジなのか

 「ネガ」という言葉をそのまま素直に解釈すれば、透明なベース上に補色で画像が成り立っていれば良いということになるわけですが、今現在売られているカラーネガフィルムは色の濃淡などの違いこそあれ「なんで?」と思えるようなオレンジ色をしていますね。「これは何なんでしょう?」とたまにお客さんに聞かれます。これは「マスキング」というものでありまして印画紙に焼いた時に、綺麗な色を再現するために必要なのです。

 カラーネガには3原色の層が存在します。乳剤面(ネガで言えばコマの数字が裏に見える側・ツルツルでない方)から順番に青光に感光する「イエロー」の層、緑光に感光する「マゼンダ」の層、赤光に感光する「シアン」の層があります。この3つの層がそれぞれの色に対してフィルターとなり、印画紙に被写体とは補色の画像を再現することができるわけです。がっ、しかしながらカプラー(色の元みたいなものだと思ってください)は完璧に「純」な物ではないのです。困りましたネー。例えばマゼンダのカプラーは本来なら完全に透過しなければならない青光を若干ながら吸収してしまうという特性を持っています。このまま印画紙上に再現されると色が非常に濁ってしまうのです。

 そこで、オレンジマスクが登場します。それぞれの色の層が余計に光をぶんどってしまうのなら、それを補って相殺してしまうように露光量に反比例するようなカプラーを混合すればいいじゃないか、とまぁ非常に頭の良い人がいたわけです(笑)。これを「マスク」といい、<露光量に反比例するようなカプラー>が組合わさって「オレンジ」になっているわけです。

 ちなみにデジタル画像の世界ではカプラーによる誤差というものが存在しないわけですから、「マスク」は必要ないわけです。例えばフォトショップなどで正像(ポジ画像)に「階調の反転」を施しても、オレンジにはならないはずです。

 結論としては、「色の濁りのない綺麗なプリントを得るため」とでもなりますでしょうか。

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